ShareBasedのコミュニティ学

WEBとリアルが融合したコミュニティを、どう運営すれば良いかの実験の記録です。

ゴーストが囁くので、好奇心で飯が食える世界をつくる

様々なことが人工知能に代替されていくのがリアルになってきました。いよいよ未来が予測不可能になってきています。
 
テレビ電話なんて当たり前だし、モノを転送するのも3Dプリンタでできる。簡単に動かせるロボット、ペッパーくんも出てきて、僕らの想像が追いつかなくなってきています。
 
アメリカの発明家レイ・カーツワイルは、技術の進歩は回避できないと言っています。ムーアの法則リーマンショックの時のような景気の上下にも左右されませんでした。

www.ted.com

 

 
技術の進歩は回避できない。でも社会というか僕らの反応は変えられるはずです。
 
どんどん情報はネットワーク化され、どこからどこまでが自分で考えたことなのかもわからない今、僕らはある意味既にサイボーグなのかもしれません。シェアした記事はあなたでしょうか?シェアしたのはあなたかもしれないけど、記事を書いたのは違う。あなたは介在してるけど、全てじゃない。
 
なにかにつけこうなってきています。僕たち一人一人が膨大なネットワークの網の一部になってきている。これが進んだ世界はどんなものでしょうか。そして僕らはどう反応すべきでしょうか。
 
こういう時はSFを見るようにしています。ちゃんとつくられたSFは「もしこういう技術が実現したらどんな問題を引き起こすか、何をもたらしてくれるのか」を思考実験してくれているからです。
 
この場合、やはり攻殻機動隊の力を借りるべきでしょう!!笑
 

統合されてしまった僕たちが個を取り戻すことはあるか

 
攻殻機動隊マトリックスアバターなど様々な作品に影響を与えた日本のアニメです。
 
舞台は超未来で皆の頭脳はネットワークで繋がれています。僕らがいまwifiを普通に使うように、彼らは電脳で回線に接続しています。そんな時代の犯罪に立ち向かう公安の話です。
 
色んなシリーズがありますが、僕はStand Alone Complexの笑い男事件が好きです。全話見る時間がない方はこちらを。w
 
笑い男事件とは、当時流行っていた電脳硬化症という病気に対する画期的な発明、村井ワクチンに既得権益を侵されそうになったセラノゲノミクス社が政治的にワクチンを排除する、という話から始まります。
 
それを知った超特A級ハッカーの少年はその陰謀を暴こうとセラノゲノミクス社の社長を生放送に映して謝罪させようとしますが、失敗。さらに多くの人に顔を見られてしまいます。
 
しかしほとんどの人間は電脳化されているので、彼は自分の顔にこういうマークが表示されるようハッキングします。

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結果、電脳化していなかった二人のホームレス以外はみんな顔が思い出せなくなり、彼は表から姿を消し、「笑い男事件」として記録に残ります。
 
この話は、彼が消えた後も色んな人間、知り合いでもない人間が、本人はもう表舞台にいないのに「俺が本当の笑い男だ」「俺は笑い男と意思を継ぐものだ」と伝染病のように笑い男が増えていくという事件がメインで進みます。
 
前置き長くなりましたが、笑い男であるアオイは、最終回でこんな会話をしています。
 
 
 
初見だとあまりに難解なんですが、要は電脳化するというのは個を少しずつ失うということで、人間社会というのはそうなるように出来ている。それに絶望しています。
 
一方で主人公の素子は、違う現象を見ていました。めっちゃかわいいタチコマというロボットがいるんですが、彼らは常に情報を同期しています。彼らに個の概念はなく、常に全体です。僕らがクラウドでファイルを共有してるようなものです。
しかし、ある時、完全にフランケンシュタインのパクリですが、街に出て少女と会います。街の市場や犬、花といったものに出会い感動するのですが、その情報を仲間と共有しませんでした。個を持とうとした彼らは危険だということで解散させられ、あるタチコマは介護へ、あるタチコマは工事現場へ左遷されます。
 
笑い男の話では、最初は個人だった人間がその境目を無くしていくのが絶望と言っていました。
しかし、最初から個がなかったロボットが個を持ちうるというのを素子は見ていました。
 
彼女は、その鍵は好奇心じゃないかと言います。どれだけ人工知能が発達しても、一人の人間でいるために。
 

好奇心で飯が食える世界

僕らはまさにこれがリアルで問われる時代に来ていると思います。なにかに代替されず、人間らしくあるために、好奇心に基づいて動く。
 
仕事はしんどいから金をもらえるんだ、と言う人がいますが、別にしんどいかどうかなんて関係なくて責任を果たせばお金をもらえます。しんどかろうがワクワクしながらだろうが。
 
故に、資本主義との接続も可能です。つまり、好奇心だけで飯を食うことは可能だと思ってます。ユーチューバーも楽な仕事ではないと思いますが、一つの可能性だと思います。そのヒントになりそうなものの一つがハイブリッド経済です。

 

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僕の父は2010年に亡くなりました。工場長をやっていて、やりたいことがあるからと独立。しかし母の介護のためにそれを諦めざるを得ませんでした。結果、過労なのか、突然死しました。
 
介護は、ちゃんと稼げればサービスを拡充したりしてどうにかなるものです。だから、必要な資金のために、やりたいことを諦める世の中は無くしたいです。だってもったいないよねえ。その意欲と才能が。
 
だから、僕がやりたいことは好奇心で食える世界をつくることです。それで食おうとしてる人の障害物をぶっ潰すことです。